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「フフフッ……。
フフフッ……。
フフフッ……」
私はその笑い声を聞きながら、この近くに自分以外の誰かがいることを確信しました。
そして私がその笑い声に恐怖しながら振り返ると、誰もいなかったはずの廊下の真ん中に白いワンピースを着た小さな女の子が立っていたのです。
私はとっさに悲鳴を上げて、その場から逃げようとしたのですが、どういうわけか悲鳴を上げることも、逃げることもできません。
ちゃんと意識はあるのに、自分の体が思い通りにならないその感覚は恐怖でした。
それに突然現れたあの白いワンピースの女の子が、普通の人間でないのは明らかです。
もしかして、あの白いワンピースの女の子がこの廃病院に現れる幽霊なのかと思うと、心が恐怖に包まれて、心臓だけがドキドキと大きな音を立ていました。
私の体は金縛りにあったように動かなかったので、私は目だけをキョロキョロと動かしながら、自分が助かる方法を探していたのです。
すると、懐中電灯の明かりに照らされた白いワンピースの女の子が、不気味に笑いながら私に手招きをしてきたのです。
まるで、「こっちにおいでよ」と言ってるみたいに……。
さっきまで少しも動かなかった私の足が、白いワンピースの女の子に誘われるがままに、ゆっくりと前へと進み出しました。
そして三分ほど歩き、私が白いワンピースの女の子に誘われて来た場所は、廃病院の一階にある手術室でした。
私は無意識のうちにその手術室のドアを開け、ワンピースの少女と共に手術室の中へと入っていったのです。
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