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あれは私が中学三年生の二学期のことでした。
私たちのクラスに時期外れの転校生がやってきたのです。
彼女の名前は足立真奈美。
髪がボサボサで汚ならしく、とにかく暗い印象の生徒でした。
そんな真奈美はクラスに溶け込める様子もなく、いつも誰とも話さずに教室の隅にある自分の席にぽつりと座っていたのです。
私はそんなネクラな真奈美を見ていると、どうしてもからかってやりたくなり、友達の聡子と二人で真奈美の席に行ったのです。
私は真奈美の席の近くに行って、最初に真奈美のボサボサの髪をからかいました。
「おい、真奈美。
お前の家に鏡はあるの?
そんなボサボサの髪で学校に来んなよ」
真奈美は私が悪口を言っても下を向いているばかりで、何も言い返してくる気配がありません。
そんな真奈美からは典型的ないじめられっ子の匂いが漂ってくるのです。
友達の聡子も極端にネクラな真奈美をおもしろがって、笑いながら真奈美の悪口を言い始めました。
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