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真奈美のそのノートには『殺す』という文字がびっしりと書かれていたのです。
一ページ目も、ニページ目も、三ページ目もびっしりと。
真奈美のノートに書きなぐられているその汚い文字は、まるで怨念が込められているようにも思えました。
この『殺す』という文字は、いつ書かれて、誰に向けられているのだろうと私は思うと、しだいに真奈美に腹が立ってきて、私はそのノートを開きながら、真奈美を怒鳴りつけていたのです。
「この『殺す』っていう文字はいったい何だよ!
私のことを殺すって言いたいのか?
上等だよ!
殺せるもんなら殺してみろ!
死神みたいな顔しやがって!」
真奈美に殺意を向けられていたことを知った私は苛立ち、思いっきり真奈美の机を蹴っ飛ばしました。
この不幸の塊みたいな転校生が、私に歯向かおうとするのがどうしても許せなかったのです。
私は今まで真奈美に手を上げたことは一度もなかったのですが、その日は真奈美が憎くて真奈美の頭をを平手で叩いていました。
我を失っていた私を聡子がなだめていなかったら、私はもっと真奈美を叩いていたと思います。
ちょうど予鈴のチャイムが鳴ったこともあり、私たちは真奈美の席から離れて自分の席へと戻りました。
自分の席に着いた私は、あの憎らしい美奈子をもっといじめてやろうと考えていました。
でも、そんな真奈美は次の日から学校に来なくなってしまったのです。
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