20人が本棚に入れています
本棚に追加
私は不安な気持ちを抱えながら、また自室へと戻りました。
そして美奈子は本当に死んだのだろうかという疑問が、また私の胸の中で膨らんでいったのです。
美奈子は臆病なネクラだから、仕返しにくるなんて想像したこともありませんでした。
でも美奈子のノートにびっしりと書きなぐられていた『殺す』という文字を思い返したとき、美奈子が私たちを殺したいほど憎んでいたことは明白です。
そんなことを考えていると、さっきまで居心地が良く思えていたこの静かな部屋も、何だか不気味に思えてきました。
それに、もしも美奈子が本当に死んでいるとしたら、その理由は何だろうと私は考え始めたのです。
私たちの美奈子へのいじめが、自殺の原因かもしれません。
でも、美奈子が学校に来なくなってから、もう一ヶ月が過ぎているのです。
部屋でテレビをつけていても、考えることがたくさんありすぎて、テレビの内容はもう頭の中に入ってきませんでした。
そして私がこの不安な気持ちを誰にも相談できずに悩んでいるとき、何の前触れもなく部屋の明かりがパッと消えたのです。
私はその突然の出来事に息が止まるほどにゾッとしながら、真っ暗になった部屋の中を身を固くして見回していたのです。
最初のコメントを投稿しよう!