「ハローサーティーン!」

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「ハローサーティーン!」

「なんでお前を好きになったのかどうしても思い出せなくてさ……」 あたしは彼の言葉の意味が理解出来なくて凍り付いた。 そもそも会うの18年振りだし。 「突然クラスに現れてさ、先生の横に立ったお前を見た時なんでか知んないけど……引き付けられたんだよ……」 (そんなの嘘だ……) あたしは懸命に否定する。 廊下でいきなりスライディングタックルされた。 痛いよりも、あまりに突然の出来事に受け身もとれずに彼の上に倒れこんだ。 転校ばかりで親しい友達を作るのが難しかったあたしは。 人一倍他人と争う事を恐れてたんだよ?。 そういう態度が却って人をイラつかせるのかな? そんな風にも考えた。 「気が付けばお前の事ばっかり考えててさ……」 嘘だ、嘘だ。 「どうしてイジワルするの?」 聞いたあたしに笑顔で「なんででしょうねえ?」ってとぼけてたくせに。 不安だったんだよ? もしクラスメートと喧嘩しちゃったら……。 仲直り出来ないまま転校しなくちゃいけないかもしれない……。 「信じられないだろうけど……お前が転校するって聞いたの……お前が転校しちゃったあとなんだよな」 笑わないでよ、なんでそんなに嬉しそうに笑うの? 「もう死ぬまで会えないもんだと思ってた……」 嘘だ、嘘だ、嘘だ。 あたしは根無し草で…… どこに行っても長続きしなくて…… どこにも待ってる人なんか居ない…… 「あの時俺はまだ子供でさ……」 嘘つき、今だって子供のまんまじゃないか……。 農協の瞳ちゃん笑ってたよ、「彼何時まで経っても子供のまんまなんだよね」 て言うか……レジ打ち中に告白するのやめてくんない?レジ待ちのおばちゃんたちにかなり注目されてるんですけど? 後少しで勤務時間終わるから。 積もる話はそれからにしてくれるとあたしはかなり嬉しいんだけど。 時計の針を13歳まで巻き戻すにはそれなりの覚悟もいるしさあ。 目で訴えても伝わんないかなあ。
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