208人が本棚に入れています
本棚に追加
寝る時間になって櫂は自分の部屋に戻ったけど、私は何か落ち着かなくなった。枕を持って櫂の部屋に行く。
枕付きの私を見て、櫂が黙って布団の半分を空けてくれた。そこに喜んで潜り込む。定位置は櫂に背中を向け、後ろからぎゅっと抱き締めてもらえるこの場所だ。
あ…でも櫂、まだ腕が痛いかも。思わず向きを入れ替えた。普通に上を向く。
「洸?」
櫂が変な顔をしている。顔だけを櫂に向けてちょっと擦り寄った。
「ちゃんと来ていいよ」
「大丈夫」
今日は本当に大丈夫、でも櫂と手を繋いで眠りたい。手探りでその手を取る。
「おやすみなさい櫂」
「おやすみ」
その夜も櫂の側でゆっくり眠る事が出来た。
朝起きると結局、櫂に抱きついて寝てたけどね。本当に我ながら困ったちゃんだ。
最初のコメントを投稿しよう!