208人が本棚に入れています
本棚に追加
勉強が終わり、いつものように二人でお風呂だ。
狭い脱衣所だからいつも先に櫂が入って、そのあと私が追いかける。おチビの頃は二人でも大丈夫だったけど、流石に今はちょっと窮屈だ。
小さな頃から、よく二人でまとめてお風呂に入れられた。
私がぼんやりとお風呂に浸かっているのが好きなので、いちいち櫂が世話を焼いてくる。
前に一人で入ったら、うっかり湯船で寝てしまって死にかけた。それから一人で風呂に入れなくなった。お母ちゃんの信用が全く無い。
「ほら洸、髪洗え」
「櫂洗って〜眠い」
「仕方ないな」
やった。
櫂の洗髪は丁寧で気持ちが良い。
「身体ぐらいちゃんと洗えよ」
「ん〜〜〜」
「ほら背中!ああもう、タオル貸せ!腕あげて!」
ほぼ至れり尽くせり。なんでお風呂ってこんなに眠いんだろう。
考えたら、櫂って私が本当にちびっ子の頃からこうして世話をしてくれているんだよね。
私の身体を親よりも多く見てる事になるのかなぁ。
「ほら、眼をつぶれ」
仕上げのシャワーを掛けられ、湯船に入る。
目の前にある櫂のおちんちんを見た。明らかに自分のものとは違う形状。なんでこんなに違うんだろう。
「何見てる」
「櫂のおちんちん」
「もう一緒に入らない」
「ごめんなさい、もう見ません」
慌てて目を閉じる、自分の疑問よりも今のこの幸せが大事だ。
それにしても眠いな。昨日、マンガ読み過ぎた…
「洸!!」
え?
「バカっ!」
”ザバッ”
あれ…又寝てた。櫂にお湯から引き上げられた。
「だから風呂で寝るなっていつも言ってるだろう!!」
「あ…ごめん」
「全く…もう出ろ!」
「まだ温まってない」
「〜〜〜もうっ」
櫂が背中側に回って私を抱いたまま湯船に沈んだ。湯船が狭いから、こうしないと二人で入れない。
「100数えたら出ろよ」
「うん」
櫂の腕が嬉しい。結局又、寝そうになって櫂に怒られた。
最初のコメントを投稿しよう!