やまない雨と猫は見ていた。

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TIPS ※1 山田くんは、この道を毎朝通るとき、常に視線を感じていた。「なんだか裸を見られているような感じで、気恥ずかしいぞ」。これが佐藤さんの視線だと(笑)山田くんが勘違いしていたことには“野良猫の私”は気づくことはなかった。 ※2 このときの佐藤さんは、朝なのにちょっとアンニュイで乙女なハートブレイク気分であったが、無意識では鈍感な山田くんに対して「ヴァーカ」と罵っていた。 ※3 この言葉の内には、動物の世界で異性を相手にゆずってしまう行為なんて、ありはしないだろう?という『弱肉強食の世界に生きる種の保存とは何か』というテーマ性もあったのは事実。 ※4 「私も煮干しをもらえる仲になることができただろうか」と野良猫は思った。天は、その時その日を精一杯生きる野良猫の姿を見て感動し、このあとちょっとだけお天気雨を全米に降らせた。全米がちょっとだけ泣いた。
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