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「ルリッ……大丈夫かしっかりしろ」
バレー部の人たちも集まって、みんながルリを囲んでざわざわした。
ルリは、ハッと目を開けて、
「あ、ごめ……」と言って、デコを押さえ、またクタアと目を閉じた。
「ほ、保健室!」
誰かが叫んだ。そうだ。保健室だ。
「ルリ、死ぬなあーッ」
俺はルリを姫だっこして保健室までダッシュした。
保健室のベッドにルリを横たえる。
いつも小生意気なルリが、大人しくぐったりしている。
保健医が腰に手を当てて言う。
「大丈夫だと思うけど、アタマは怖いからね。
一応しばらく休んでいきなさい」
ルリは目をうすくあけて
「ごめんね。壱……」と弱弱しい声で言った。
「いいから寝てろ」
ごめんね、じゃねえだろ。ルリ。
俺が隣にいたのに。ボール、ぶつけさせちまった。
大体、俺が誘わなければ、ルリは体育館なんて行かなかった。
謝るのは俺のほうだ。ルリ……。
「ルリ。死ぬな……」
「死にませんって」
保健医が、妙に冷静な声でツッコミを入れた。
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