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保留…。確かに、諦める以外の選択肢としてそれもありかな。思い続けていれば報われるなんて、それは幻想のようだけど、無理矢理諦めてすぐに忘れることなんて出来ない。その考えは私も同感だと思った。
「それはありかもしれませんね。何かちょうど、進路のことでも悩んでて、考え込みすぎていたのかも…。でも、一つ気になることがあって。やっぱり男子って可愛い子を好きになるんですかね?私の片思いの人、女子らしい子が好きみたいだから。」
「そういう人もいるかもね。でも、可愛いって人それぞれで違うんじゃないかな。外見とか仕草とか声、性格とか。だから、さなよんにも可愛い所あると思うよ。私にとっては今日、片思い仲間で可愛い後輩ができたなって思うもん。後輩とは少し違うね、年の離れた友達?」
そう言って笑う由希さんがとても楽しそうだったので、私まで嬉しくなった。年の離れた友達とか仲間とかって、すごく良い言葉だ。
私たちはその後暗い話はせずに、片思いの相手の好きなところだったり、両思いとか奇跡じゃない?とかいう話をしたりしていた。そんな話をしていたら、いつの間にか一時間経ち、私たちは会計後にメールアドレスを交換してから途中まで一緒に帰った。
夕飯の後、少し宿題をしてから携帯を見ると、由希さんからメールが来ていた。
「さなよん、これからよろしくお願いします。今日は楽しかったよ!また今度会いたいねー。メール届いたら、返信よろしく!」
その文面に対して、
「こちらこそ、よろしくお願いします。はい、また会いましょうね。連絡いつでも大丈夫ですよ!」
と返信し、私はまた勉強に戻った。
私はその夜、夕方の憂鬱な気分なんてすっかり忘れて安眠していた。
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