インターネット王権

エントリーNo.9841版脱落しました。

｢まじかよwwwwwwww｣

｢アイツうざいからええわwwwwwwwww｣

｢そりゃ、王になるべきは俺だからな｣

｢← は？俺だが？｣

画面に大勢のコメントが流れる。脱落した9841が どうなったかは、わからないが 少なくとも今のIDでは一生ネットに書き込みができなくなった。

此処は、[インターネット王権取得者]の決定会場

誹謗中傷や暴言ましてや殺害予告までリテラシーが破綻した。インターネットの世の中を正すべく謎の有志団体が作った権力｢インターネット王権｣はネットの安全性を正すべく
モラルやリテラシーに反する投稿者をインターネットから抹消出来る権利を得る。どういう原理で抹消されるのかは有志団体と王に選ばれた者しか知らない。

俺は、インターネット王権を獲得する候補者に選ばれた一人で候補者は王権を手に入れるべく取り合いしている。

実を言うと、俺はインターネット王権には興味が無く今のネット上に広まる都市伝説か何かだと思っていた。

今から数時間前PCを起動させると

｢おめでとうございます！貴方はインターネット王権を獲得する候補者に選ばれました！｣メッセージが流れて自動的に画面が切り替わり会議室のような空間と真ん中に何の番号が表示されたモニターが映し出された。

はじめはウィルスにでも感染されたのかと焦ったが、再びメッセージが通知された。
「ご安心をお使いのPCは正常です。ようこそインターネット王権取得者決定会場へ！貴方の番号を右上のバーをクリックしてご確認ください。」

言われた通りにクリックすると【1345】と番号が表示された。未だに状況が飲み込めず戸惑っていると、再びメッセージが通知される。「なお、音声認識が有効になっております。何かお困りの事がありましたら 一声お掛けください。ガイドのミナトがお答えします。」

「お、おい！なんなんだこれは！」

PCに向かって声を出すと数秒後音声が発せられた。
「はい、こちらはインターネット王権取得者の決定会場となっております。」

「なんで そんなのに 俺が選ばれたんだ？そもそも、人のPCに勝手に入り込んでいいのかよ！急に決定会場って奴の画面に切り替わりやがって....」

「貴方が 候補者に選出された経緯につきましては、機密対象となりますので、お答えすることはできません。なお、決定会場の画面表示につきましては、現在のインターネット王権保有者による権限で候補者のIPアドレスから該当のPC、タブレット、スマートフォンに 会場画面へ自動でアクセスさせております。」

「そんなこと していいのかよ....インターネットの王様って.... 悪いけど俺は候補者から外してくれないか？俺は他にPCでやりたいことがあるんだ。この画面のままだと困る。」

「欠場でよろしいでしょうか？」

「あぁ。いいよ。それで」

「欠場者は脱落者と同じ扱いになります。
脱落者は今後一切のインターネットの使用が無効になります。」

「インターネットの使用が無効？どういうことだ！」

「インターネットへの利用が出来なくなります。これは、インターネット王権の機密を守る為 候補者は王権獲得者を除く全員 が対象です。」

「ということは、インターネット使うなら王権を獲得する必要があるってことか？」

「はい。それでも欠場なさいますか？」

「....ｯ、少し考えさせてくれ。」

「かしこまりました。なお、今から1時間後までにお答えを頂けない場合自動で欠場とさせていただきます。」

PCからの音声はそこで止まった。

「くそっなんだってんだよ！」

俺は未だに何が起こってるか理解出来ず頭を抱えた。