束の間の休息

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束の間の休息

NHIロジスティックセンターに帰還する前にパトロール隊の面々はSt.48で 束の間の休息時間を与えられていた。 しかしとても羽を伸ばす気にはなれなかった。 第3番艦が、仲間の乗る船が吹き飛ばされた―それは大きなショックだった。 衝撃を受けたひとりであるボナーラは気晴らしに新型ワリフターウの発表展示会に行ってみることにした、ふさぎ込んでいても仕方ない。 体力的疲労は精神的なものと比べればかなり回復してきている。 「ねえ、ボナーラ、何処行くの?」 宿泊施設のロビーを通り抜け外に出ようとした時、ボナーラはそう呼び止められた。 「ん、ナポ?」 「ん、じゃないわよ、いったい何処行くのよ?」 何故かボナーラに対して毒づくような話し方になっているナポリータ。 それは一体何故、いつ頃からだろうか? 洗面所で脱衣してるときに偶然しましまの水色パンツ姿を見られた時からか? 「ハー、しかし今日は暑いな、顔でも洗うか・・・・」 「キャー、勝手に入ってこないでよ、バカッ!」 それとも昼食用弁当をバッグに入れ忘れたまま出かけたことにボナーラが気付き彼女を追いかけて大声で呼び止めようとした時か? 「お~いナポッ、弁当忘れてる!今日は大好きなハンバーグだぞ!」 「ちょっとやめてよ、恥ずかしいじゃない!バカッ!」 それとも洗濯物を一緒に洗って挙句の果てにベランダに彼女の下着を干した時か? 「ナポ、お前の洗濯もしといてやったぞ、直ぐ乾くよう一番外側にー」 「何で私の洗濯物を一緒に洗っー、ワーッ、外側に下着を干すなー!バカ!」 考えられる原因はたくさんあった、たくさんあり過ぎて分からない・・・・ 「ワリフタの新型を見に行くんだよ、そっちこそ何やってんだ?」
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