灰色の日常

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「…てか、俺が悪いのか?」 悠二は半妖であることでいろいろな場所から拒絶されて生きてきた人生だったし、今はリーヴルと名乗っているアレに両親を殺されて復讐に生きようとしていたところを顧問に拾われた。 間違っても、人が羨むような満たされた人生は送っていないから無神経な言葉は控えるべきだが…説明や相談をすることができないので異能力者としてはありふれた感がある虚飾と誤解のオンパレードである。 人間離れした怪力がバレてこのまま拒絶されることなど慣れっこだが、まさかこんなリアクションがあるとは思わなかった。 (一般人は弱いんだから、仕方ないじゃない。) むしろ、非現実な光景に悲鳴をあげないみさきはまだ芯が強いだろう。 むつみはそこのあたりの長所に気づかず、無神経なフォローを耳打ちする。 「…ああ、悪い。」 下らんことを口にするなと説教するつもりが自分が頭を下げる羽目になる。 「…こちらこそ、ごめんなさい。」 みさきはゆっくりと頭を上げた。 悠二自身は理不尽だ、釈然としないとぶつくさ吐きたいが今の悠二には肉体がないのでむつみの異能で実体化するしかない。 1週間前に、悠二の肉体と精神がリーヴルに切り離されたのだ。 独断専行で一人で復讐を実行して返り討ちである…自主性を育成するためにあまり干渉するのもよくないとの顧問の放任主義が原因らしいがもっと監督してもらいたい。 相羽宰顧問は、そういうところが甘いのだ…異能は一般社会とは違うのに。 そして、昨日の体育館での攻防。 黒い魔法使いのような姿の見慣れない顔を隠した人物と二人遭遇した。 資料通りなら、部員は4人と高鱒かのこ部長の5人。 かのこ部長は人間の姿をしていたが、残る4人はすべて異形化していたから人間の姿としか思えない二人の存在を合わせると数が合わない。 かのこ部長は仮面をしていない姿しか見ていないが、暗がりでも視認した背格好の感覚から悠二の刀を持つ人物と後ろの仮面の人物はかのこ部長とは合わない気がする。 そうなると、他に誰かがいるわけで…交流会というガラにもないことを始めることになる。
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