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超常研は、虹夏高等学校の旧校舎の地下に無断で部室を作っている。
体育館で特務部と戦った仮面の魔法使いオリジナルの不可視の結界にて、特務部に居場所がバレることはない。
波打つ河のような流れの巨乳の三つ編みと、ヘアバンドでまとめたお嬢さんのような姿のほんのり妖艶な美少女が高鱒かのこ部長。
他の部員のミクズ、フウニ、ドツタ、ホムギの4人は型が半魚人だったり、巨木に顔がついていたり、ピザ焼き窯に手足が生えているような姿だったり、コウモリの羽根が生えていたりとまるっきり異形だが、魔法使いのローブのような制服はしっかり全員着こなしている。
全員同じテーブルを囲んでお菓子を食べながら、特務部攻略の作戦を練っていた。
「ご主人、大変だったな。」
「何で起きたのよ、眠ってなさいよ。」
「俺はあんたを守るのが、仕事だろうが。」
「伏兵なんだから、よほどのことがなきゃ死にはしないわよ。
乱戦になんか参加するな、ややこしい。」
仮面の魔法使いは聞き覚えのある声に愕然とする。
残り二人の片割れは、悠二とまったく同じ顔をして同じ刀を持ちながら性格が別という厄介な人形のヤグラ。
漆黒の魔法使いが悠二の肉体を使って作ったものだ…魔法使いの逃走用の幻術薬に魂を失った肉体に残っていた残留思念とその他云々を貼り付けて動かしたのだ。
もともと、特務部の情報を吐かせたり力仕事に必要だったので作っていたものだが…とうとう超常研が特務部に本格的に攻め込むことに決めたので護衛として扱われることになったのだ。
ヤグラは仮面の魔法使いを主人と認識しているので、創造主にはベタ甘。
悠二本人には刃物を向けられているというのに、下手に同じ戦場に連れて行ったらややこしいから極力眠らせたのだが…かのこ部長が総力戦だから起こしたか。
何だか、少し早計な気もするがかのこ部長の意見は絶対である。
(やっぱり…。)
仮面の魔法使いはかのこ部長の思惑の理由に思うところはあったが、逆らうわけにはいかなかった。
すべてはあの部活と顧問が悪いのだ。
あの部活は消滅しなくてはならない。
あの部活さえなければ、私も超常研も何もかもを失わずに済んだのだ。
償わせなくてはならない!!
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