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(全面対決を急ぐのは、基本的放任主義の相羽宰顧問が本格的に特務部の指揮を取る前に叩いておくべきということと私があまり特務部に対する意識が弱いって確信しているからかな。)
見られているな、と仮面の魔法使いは思った。
あまり抗戦を長引かせた不祥事が続くと、やる気の無いだろう顧問も動かざるをえない…それだけリーヴルは相羽宰顧問だけは警戒しているということか。
まぁ、考えても仕方ないか…自分で決めたことをうだうだ掘り返しても仕方がない。
この前の体育館の時は逃がすだけだったが、今回は違う。
向こうが気づかないならば、こちらの勝ちだ…仮面の魔法使いは仮面の下でほくそ笑んだ。
「我々の自由を、オカルトの自由を取り返そう!」
「おおお!」
かのこ部長に呼応するように、歓声を上げるだけの部員たち。
「決戦の日時は明日の放課後の体育館よ。
向こうが集まりやすいようにね。」
「おおお!」
メンバーは歓声だけで返事する。
異形だから、あまり人間の言葉は喋れない…人間時代の記憶は異界の生命に貼り付いているようだから決戦の名目はひたすらオカルト一筋だが。
その中でも、仮面の魔法使いは冷静に状況を整理する。
なるほど…体育館を繰り返し狙うのは何かがあると思わせて総力戦を誘い、集まったところを一網打尽にする作戦か。
特務部のナビは潰れてしまったから、かなり目立つ作戦を仕込まねばならないから普通の生徒も残ってる放課後を選んだみたいだが…諸刃の刃に踏み切ったのはチマチマやっていると後々面倒だからな。
そうなると、本格的にこちらの出番かな…どうするかいろいろ考えなきゃなぁ…部長に相談しようか…でも、後が怖そうだし自分で頑張りたいし。
兵法書は…読んでるヒマは無いし、異能力者相手には向かないかな?
てか、どんどん泥沼化するなぁ…いや…戦場だから仕方ないんだけど。
仮面の魔法使いは、いろいろ試行錯誤しながら全面対決直前まで自分の役割を考えることにした。
もちろん日常の授業など、耳に入らなかったことをつけ足しておく。
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