久我亮衛失踪事件

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 これまでの経緯を聞いた僕は「冗談じゃない、僕は関係ない!」と抗議した。 「ほう。案外薄情なんだな」  明智さんが感心したように眉を上げる。 「だって……だって僕、確かに遠い親戚みたいだけど、久我亮衛とはほとんど会ったことないし。だから、もし僕が協力したとしても、役に立つとは全然思えません!」 「そっかあ……」  明智さんが、ふうっと息をついた。  だって……しょうがないだろう? 普段から付き合いのある親戚ならともかく、僕は久我亮衛の顔すらおぼろげなんだから。 「まあ、でも、君には久我亮衛を探す責任がある」  はあ?  なぜそうなる! 「私も詳しくは聞いてないんだけどね。君のお母さんの兄の息子の再従兄弟(はとこ)とかいう人物が、どうしても君に探してほしいと言ってるんだよ」  …………だ れ ? 「昨日はその人物から、丁寧に菓子折りが届いた……」 「まさかそれ……食べちゃったとか……?」 「いやあ、やっぱ美味いね、ルトゥー・ドゥ・ボヌールのお菓子は!」  あっはっは、と笑う明智さんを見ているうちに、僕は本当に頭が痛くなってきて、片手で頭を支えなきゃならなかった。  その時、ノックもなしに倉庫……じゃなくて、部屋のドアが勢いよく開き、僕は反射的にドアに目を向けた。   ⇒https://estar.jp/novels/25650637/viewer?page=10
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