2-1.指導室(大和視点)

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「そういやあいつ授業終わったあと急いでどっか行ったぞ。だから購買すっげぇ混んでんのかと思ったんだけど」  “冬馬は一緒じゃねぇの?”  先の御子柴の問いに、佐久間が不思議そうに答えた。 「まあ待ってりゃそのうち来んだろ。俺今日の5限呼び出されてっし。なんかやることでもあんじゃねぇの」  しかし俺が決めつけた途端、皆あっけなく納得して駄弁り始めた。 ── ─────── ───────────────────  ……相変わらず賑やかな奴らだ。  隣で騒ぐ奴らを眺めながら、ふとそんなことを思う。こういう明るい人種と一緒にいるのは楽しい。だいぶやんちゃしているが、気も合うし普通に良い友人たちである。  購買で買ったパック飲料に手を伸ばし、開いている窓に目をやると。  ──────………  広がっていたのは、憎らしいほどの快晴だった。 「っ……」  こんなにも晴れているというのに、その事実に不相応な冷たい風が頬を撫でる。  ああ、この時間がずっと続けば良い。  それはいつも思うこと。この空き教室でずっと。ずっとこうやってこいつらと駄弁っていたい。そうすれば。  そうすれば──────……  これが俺、九条(クジョウ)大和(ヤマト)の日常。
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