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「そういやあいつ授業終わったあと急いでどっか行ったぞ。だから購買すっげぇ混んでんのかと思ったんだけど」
“冬馬は一緒じゃねぇの?”
先の御子柴の問いに、佐久間が不思議そうに答えた。
「まあ待ってりゃそのうち来んだろ。俺今日の5限呼び出されてっし。なんかやることでもあんじゃねぇの」
しかし俺が決めつけた途端、皆あっけなく納得して駄弁り始めた。
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……相変わらず賑やかな奴らだ。
隣で騒ぐ奴らを眺めながら、ふとそんなことを思う。こういう明るい人種と一緒にいるのは楽しい。だいぶやんちゃしているが、気も合うし普通に良い友人たちである。
購買で買ったパック飲料に手を伸ばし、開いている窓に目をやると。
──────………
広がっていたのは、憎らしいほどの快晴だった。
「っ……」
こんなにも晴れているというのに、その事実に不相応な冷たい風が頬を撫でる。
ああ、この時間がずっと続けば良い。
それはいつも思うこと。この空き教室でずっと。ずっとこうやってこいつらと駄弁っていたい。そうすれば。
そうすれば──────……
これが俺、九条大和の日常。
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