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と、ちょうどその時。
「…、っ……!」
バーンとか、ドカンとか、いや、言葉では表現し難いが……とにかくものすごい音がした。
まさか爆発でもしたのか……? と驚きはしたものの、倒れ込んだ際、折れているであろう右腕をついてしまい、視線を配る余裕がなかった。
「つ……ッ!」
激痛による放心状態。そのまま目を瞑り、引き攣ったように動けないでいた。
数十秒後、辛うじて瞼を上げれば、腕の間でうずくまる生徒はなんと……泣いていた。そして先ほど俺を罵倒した時とは打って変わり、弱々しい声で何か言う。
「大和……たすけて……」
は……?
助ける?
誰が。
誰を。
お前を?
どうして……助けられたいのはこちらなのだが。とにかく救急車、右腕だけでもいいから緊急搬送してやってくれ。早く俺の右腕に救急車を、
「何してんだてめえぇぇっ!!!!」
しかし、迫力のある怒号が聞こえた次の瞬間、それまで右腕に集中していた意識が吹き飛んだ。あまりに衝撃が強すぎて、何が起きたのか分からなかった。
「っ…?、っっ…?」
床に倒れこみ、しばらくフリーズした。
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