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「………、……」
待て、と言われても歩けない訳ではない。攻撃を食らったのは主に上半身なのだ。
けれどせっかく荷物を取りに行ってくれていることだし、とりあえず1階で待たせてもらうことにした。そこで荷物を受け取ったら、俺は裏門に向かえばいい。少し気がかりなのはすっぽかした6限についてだが、今回は不可抗力なので仕方ない。明日考えることにする。
「……………」
なんだろう。今までこんな風に人の世話になったことがないから、不思議な感じがした。しかも俺の名前を覚えていてくれる人がいたなんて。
こちらは彼の名前を知らないのに──……
少しばかり罪悪感が募った。
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