男運がない?

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「だよな。痛ぇーよな?赤くなってる…」  そう言うと、彼は両手で私の頬を包むように触った。  そして、私の額に自分の額を押し付け目を閉じた。  何だろう?  すごく近いから、すごくドキドキしていた。  金茶色の短髪でとてもチャラそうだけど、優しそうでキレイな顔立ち。  そして彼は目を開けて、ニコッと笑った。  私はやっぱりドキドキしてしまった。 「あんな男辞めて、俺にしない?つーか、繋ぎで構わないから、とりあえず俺にしときなよ。魔除けになると思うよ?」  自分の意志とは関係ない何かに突き動かされ、気付けば私はただ頷いていた。  彼は獲物を捕まえた獣のような強い眼力で私を見つめると、そのまま唇を重ねてきた。  危険な香りを漂わせる強引な男なのに、何故かこの人は信じられると確信した。  それが正解か間違いか、未だに分からないままだけど…  唇が離れると、彼は私の頭に手を乗せ私の顔を再び覗いた。  そして、反対の手を私の背中に回した。  その自然な仕草に、女慣れしてる事を感じた。 「俺はショウ。工業科の3年。アイツの先輩だから、金輪際お前に手出しはさせない。それは約束する。で、お前は?」 「あ、私ですか?ルナです。普通科の1年…」 「ルナか、良い名前だ。ルナは今から俺の彼女だ。取りあえず、連絡先教えて」  これが、ショウとの出会い。  ショウの言葉通り、あの日以来マーは私の前には現れなくなった。  それどころか、私の姿を見ると逃げるようになった。  ショウがマーに何を言ったのか、どんな話をしたのかは知らない。  だけどショウがあの学科で、どれだけの勢力を持っているのか何となく感じることができた。  ショウと付き合い始めたと言っても、学科も学年も違うので校内で会うことは少なかった。  ショウは見た目もあれだけ派手な分、生活もかなり派手だった。
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