59人が本棚に入れています
本棚に追加
本当、私は性格が悪い。
気になるならミユにハッキリ言えば良いのに、それをしないでこんな意地悪をしている。
そもそも悪いのは全部ショウなのに…
ショウを責めない私も悪いのに。
「ショウ先輩、かなり遊んでるらしいね?ルナはそれでいいの?」
ユキに言われなくても、本当は良くないことくらい自分でも分かってる。
「ショウの女癖の悪さは病気だよね。だとしても、マーに比べたら全然神だよ」
「どっちにしても、ルナは男運悪過ぎでしょ?1度パワースポット巡りでもした方が良いんじゃない?」
ユキは冗談混じりに笑った。
それからミユとは、自然に話さなくなった。
今まで毎日一緒にいて、休みの日もよく会っていたのが嘘のように、ミユとは疎遠になっていった。
ショウの女癖の悪さは、もうあきらめている。
でも、それを知っててショウに近付いたミユがどうしても許せなかった。
あんなに仲良かったのに、男が絡むと女友達は簡単に裏切る事を知った。
ショウが女に対して【来る者拒まず去る者追わず】なら、私も女友達対して【来る者拒まず去る者追わず】でいようと誓った出来事だった。
ショウは、私にはすごく優しかった。
女には誰にでも優しいのかもしれないが、私と居る時はとにかく優しかった。
きっとこの優しさがショウの女を虜にする魔力だと分かっていても、ショウと一緒にいるとショウから離れられなくなってしまうのだった。
ショウは高校を卒業後、意外にも大学に進学した。
そして時間がある時には、車で学校まで私を迎えに来てくれたりもした。
マーが私に近付かないために、ショウはこうやって時々迎えに来てくれていたのだ。
口には出さないけれど、ショウのこんな優しさが私をショウから離れられなくしていた。
けれど、大学に進学してからもショウの女癖の悪さは変わらなかった。
いや、今まで以上に派手になっていた。
そして、赤い外車の女【ケイ】とも続いていた。
最初のコメントを投稿しよう!