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ショウ
それから2年後、私は短大に進学した。
ショウは大学3年になっていた。
そして、ショウと付き合い始めて3年になろうとしていた。
ショウとの関係は相変わらず…
私が短大に進学してからは更に会うことが減り、月に2回程度が普通になっていた。
休日の昼下がり、ショウの車でドライブ中のこと。
「好きな男、出来たのか?」
ショウが突然言った。
「え?そんな人いないけど…」
「少し会わないうちに雰囲気が変わった。男の影響かと思った」
サングラスをしているから、ショウの表情は見えない。
「雰囲気?変わったかな?」
助手席のドアミラーに顔を近づけ、鏡代わりに自分の顔を見る。
「気付いてない?キレイになった」
え?あぁ…
ショウがそんな事を言う?
そんな言葉をショウから聞けるとは夢にも思ってなかったから、久し振りにときめいてしまった。
それがショウの手口なのだと頭の片隅に過るものの、面と向かって言われるとやっぱり心が躍る。
「ねぇ、ショウ?もし、もしも仮にだよ?私に好きな人が出来たって言ったらどうするの?」
ショウの横顔を見つめながら、ショウの甘い言葉を期待する。
「俺がお前にとって利用価値があるなら、利用すればいい。けど利用価値がなくなったら、捨てればいい。それだけだろ?」
ショウ、その言い方…
やっぱり期待しても無駄。
ショウは私なんかに興味はないんだ…
私は溜息を殺し、俯いた。
「なんて、それは俺の強がりだよな。お前に好きな男が出来たら?んな事、考えたくもねーよ」
ショウはそう言って、私の肩を引き寄せるようにして頭を撫でてくれた。
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