59人が本棚に入れています
本棚に追加
こんなに近くに居るのに、ショウは遠い。
こんなに優しくしてくれるのに、ショウは遠い。
ショウにとって、私は何なの?
ショウの周りには、いつも華やかでキレイな女の人が集まってくる。
それは今に始まったことじゃない。
それを今日まで責めたことは1度もない。
だってショウに好きだと言われたことは、今まで1度もないんだから。
この3年で、1度もない…
そもそも、私達は好きだから付き合い始めたわけじゃない。
だから、いつも思う。
ショウにとって、私は何なのって…
でも、私は実際、最初はショウを利用していたんだ。
だから余計に、ショウの言葉が胸に突き刺さっていた。
利用価値がなくなったら捨てればいい…
前の彼氏から逃げるため、盾になってくれたショウの好意に甘えたのが始まりだった。
あの日、ショウは何故私に声を掛けたのだろう?
ショウにとって私は、どんな存在なんだろう?
聞きたいのに聞けないまま、月日だけは流れた。
私はショウの優しさに、あの日からずーっと甘えて続けている。
でも、ショウの優しさは変わらない。
そして、その優しさは、私だけに向けられているわけじゃない。
「なんつー顔してんだよ?」
車を停めて、ショウは私を見ていた。
「そんな顔をさせたかったわけじゃないんだ。ただ、お前がキレイになったから心配が尽きない…」
そう言って、ショウの顔が近付いた。
私は目を閉じた。
最初はいつものように優しいキス、そしてそれはだんだんと激しくなった。
最初のコメントを投稿しよう!