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ショウは私を見て、また溜息を吐いた。
「お前さー、そんなに俺のこと好きなら別れなきゃ良かったんじゃね?」
私はショウを見て、溜息を吐いた。
「好きだけじゃ無理な事もあるんだよ…」
「何が無理なんだよ?」
私はショウを上目遣いに見て、溜息を吐きながら目を伏せた。
「俺が女遊び激しいから?」
私は軽く唸りながら首を傾げたものの、小さく首を横に振った。
自覚してんじゃんと、思いながら…
「じゃあ、ツキミ?」
私は大きく頷いた。
「何でツキミってワードが出てくんの?」
私は再び上目遣いにショウを見た。
「寝言で、ツキミって言ってた…」
ショウは溜息混じりに微笑んだ。
「それでずーっと変だったのか!何ですぐに言わねぇんだよ?ホントしょうがねぇ女だな…」
そしてショウは満面の笑みを浮かべた。
ショウは笑ってるけど、私は全然楽しくない…
「そりゃ、寝言で言うわ」
ショウはそう言うと、片腕で私の頭を引き寄せ自分の胸元に閉じ込めた。
「ちょっと、やめて…」
口ではそう言っているのに、ショウに触れられてると思うだけで、胸がドキドキしている。
ショウの心臓の音が聞こえる。
私の心臓の音も、きっとショウに聞こえてる…
ショウの匂いがする。
すごく落ち着く。
「お前、俺と別れる必要ねぇよ?」
私は首を横に振る。
「もう別れたし。それに、ショウだって別れようって言ったじゃん…」
ショウ、ごめん。
やっぱり、もう限界。
ショウのことが、好きすぎて無理だよ。
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