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「え…」
まさか自分がツキミだとは思いもよらず、頭が混乱している。
「だから俺と別れる必要ないって言ってんじゃん」
ショウは腕を緩め、私の顔を覗き込んだ。
私はショウから逃れるようにその腕を振り解き、ショウを睨むように見据えた。
「だとしてもだよ?少し前まで、私のことずーっと避けてたじゃん?私と別れようと思ってたんじゃん?」
「いやぁ、それは…」
やっぱり!
ショウはわかりやすい。
そうゆう時こそ、誤魔化してくれればいいのに…
「もういい。分かってるから…」
「ルナ?」
私は立ち上がってショウに上着を渡した。
「何?」
「やっぱり無理だよ。ショウは私のことなんか最初から好きじゃなかったんだよ」
「な、わけねーだろ?」
「ウソ」
「嘘じゃねーよ」
「ショウが義務とか責任感だけで、私と付き合ってたの知ってたよ?だけど高校も卒業したし、もう私といる理由がなくなったもんね。分かってるからいいよ。愛されてないのに一緒にいる方が辛いし苦しいから。じゃ、バイバイ」
さよならだ。
今度こそ本当にさよならだ。
でも、後悔はない。
思ってたこと全部言ったし、胸に詰まってたモヤモヤは消えた。
大好きだけど、いや、大好きだからこそ、どうにもならないこともある。
私は捨てゼリフを吐き、ショウを置いて歩き出した。
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