ツキミという女

13/13
前へ
/80ページ
次へ
「今度はちゃんと付き合おう?もう変に遠慮なんてしなくていいから、お前らしくそのままでいてくれればいいから」  私は静かに頷いた。  するとショウは私の唇を塞いだ。  それは長ーい長ーい、キッス。  私が少し後ろに仰け反ると、私の後頭部を抑えて深く深く口付ける。  こんなに激しいキス、今まで一度もなかった。  ショウは何かを必死に訴えてるみたいに、甘くて情熱的なキスを私に浴びせた。  唇が離れると、ショウは私を抱きしめた。 「もう勝手にどっかに行くなよ?何かあったらちゃんと話せよな。それと、遠慮なんてすんなよな?」 「分かった…」  別れるつもりでいたのに、ショウに別れようと言われたのに、結局は別れる事が出来なくて、最初からやり直しをする事になった。  その日、ショウの部屋に泊まった。  今まで話せなかったことや聞けなかったことを、いっぱいいっぱい話した。  何故かショウは私とナオの事をすごく気にしていた。  そのくせ、はっきりと聞いては来なかった。  ショウの腕の中で眠っている時、夢か現実か分からないけどショウに【結婚しよう】と言われた気がした。 ー 今すぐってわけしゃないけど、就職して安定したら結婚しよう ー ー もし、もしもその時、ルナがまだ俺を好きでいてくれたら、結婚しよう ー ー これからは事情なんてないから、ゆっくりでいいから、向き合って付き合って行こう ー  目が覚めた時、ショウはそんなこと言わなかったけど…  私はショウと結婚するかもしれないって、何となく思った。  これから先、きっといいことばかりじゃないと思う。  ショウと付き合ってればヤキモキしたり、イヤになるくらい泣くこともあると思う。  だけど、今はショウ以外は考えられない。  やっと手に入った大事な人だから…  いろいろ誤解はあったけど、今、やっと始まったばかりだから…
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加