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「今日はやけに突っかかるね。何かあったの?」
何かあったの?じゃないよ!
全部、ショウのせいじゃない?
私はこんなにショウが好きなのに、いつも空回り。
いつも私なんか後回しだし、本当に付き合ってるのかどうかだって分からない。
最近は特に相手にしてもらえないから、余計に小さな事が引っ掛かるんだよ。
私は何も答えず、そっぽを向いたまま。
「これだから、お子ちゃまは…」
ショウがそう言ったところで、私はショウの手を振り払う…
けど、ショウは繫いだ手を離さなかった。
「これだけは信じてほしいんだけど、俺はこれから先も絶対にお前の手を離すつもりはない。だけど俺が嫌になったら、今みたいにお前が俺の手を離せばいい。だから、お前は無理すんな。そのままでいろよ?な…」
やっぱりズルいよ。
ショウはいつも私のことを何でもお見通し。
それがやっぱりムカつく。
でも、やっぱり私の負けだ。
結局最後はショウの勝ち。
私は小さく頷いて、繫いだ手に力を込めた。
ショウはチラッと私を見て優しく笑った。
ショウに手を引かれて、ちょっとばかり急な石の階段を昇る。
階段を登り切ると、赤い鳥居が見えた。
「神社?」
「パワースポットらしい。行きたがってただろ?」
「憶えてたの?」
ショウは何も言わなかった。
とりあえず、まずお作法通りにお詣りする。
行き成り過ぎて、何をお願いしていいか分からない。
ショウと、もっと仲良くなれますように?
ショウが、私だけを見てくれますように?
ショウの、願いが叶いますように?
( ショウが、幸せになれますように )
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