第1章

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 確かに先生が言うことが正しいのかもしれない。もしかしたら、私の勘違いで、今後は何も起こらず、なにげない日常が過ぎていくかもしれない。ユージはいなくなってしまったけれど、暫くしたらみんなそんなこと忘れて、楽しく賑やかな毎日が戻って来るのかもしれない。  私はそう思い込みたかった。  しかしミユは、どうにも気持ちが収まらないみたいだ。  終業後も、私を「マックにいかない?」と誘ってきた。  断る理由がないので、駅前のマックに入る。店内は学生たちでいっぱいだったが、何とか入り口近くのテーブルに座ることができた。 「ねえミユ、どうするの? このままじゃだめでしょ?」 「けど、何もできないと思う」 「あのさぁ。イヨっていつもそうなんだよね。始める前から諦めちゃう。そういうの良くないと思うよ」 「でも、今回はいつもとレベルが違うっていうか、自分の命にも関係する問題だと思うの。このまま知らないふりをして、身の安全を守った方がいいと私は思うわ」 .
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