第1章

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「私は、絶対に許せないんだよね。誰かがもしユージを殺したとしたら、そいつは誰にも(とが)められることなく悠々と生きているわけでしょ。そんなやつ絶対に放っておけないよ」 「でも、警察だって諦めたんだよ。私たちにできることなんか何もないわ」 「本当にそうかなぁ。私はカズマが犯人じゃないかって思ってるんだけど」  突然ミユが推理について話し出そうとする。 「勝手に決めつけるのはよくないわ。何の証拠もないのに、どうしてカズマが犯人だって言えるの?」 「だってあいつ、私たちがユージのことを事件だって言い出したら、文句をつけてきたでしょ? 自分がやったことを隠そうという意識がはたらいていたんだと思うの」 「確かにそういう見方もあるけど、事件だとして自分にも被害が及ぶかもしれないと思うと不安になるでしょ。人ってそういうことは否定したくなるのよ。カズマは校長先生が言ったことを信じて自分自身が安心したかったんだと思う」  私はそう言って、ミユの急く心を鎮めようとしたけれど、ミユはなかなか納得がいかないようだった。 .
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