第2章

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 チャイムが鳴り、授業が終わるとすぐ、私はミユを廊下のレストスペースに引っ張っていった。 「イヨ、どうしたの?」 「カズマが死んだ」 「うそ!」 「間違いないわ」 「大変! 何とかしなきゃ」  ミユの顔は必死だった。 「私、カズマに直接言ってくる」  そういうミユを私は腕を握って止めようとするが、ミユは私の手を振り払って歩き出した。ミユが、一旦心に決めたことを簡単に変えない性格であることはよく知っていた。  大股で教室に戻るミユを私は走って追いかける。  ミユは教室の後ろの戸を開けると、コースケと夢中で話し込んでいるカズマの肩を力ずくで引っ張って振り向かせて言った。 .
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