再会の先輩投手

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再会の先輩投手

寺尾は表札を見てただ呆然としていた。 「あれ?寺尾じゃねぇか。」 名前を呼ばれ振り返ると懐かしい顔がそこにはあった。 「柏木先輩!」 そこに立っていたのは同じ中学出身で先輩の柏木であった。 寺尾がこの学校に入ったのも柏木を追ってのことだった。 「お前、何してんだ?ま、まさか。とりあえず入れよ。」 柏木は寺尾の持っている紙を見て全てを理解したのかそっと部室の扉を開けて中へと誘導した。 部室の中は整理も掃除もされておらず、グチャグチャで消臭剤をおいてはいるがそれでは消せない汗の臭いが充満していた。 「汚いがすまんな。一個じゃ足りないと思って何個か買ってきたから直に臭いもマシになるだろう。」 そう言うと柏木はビニール袋から消臭剤をだし四隅に置いた。 「先輩。ところでここは?」 「ここは第二野球部の部室だ。」 「いや、その第二野球部ってのが分からないんですが。」 柏木は大きく息を吸い込んで俺の方を見て話し出した。
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