世界が終わるってさ

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 昼休みが始まるチャイムが鳴って、私はエリカと机をくっつけて昼ごはんを食べる準備をする。余所からイスを適当に2つ寄せてきて、4人席の出来上がりだ。 「つーかさ、アトミとコトヨ来なくない?」 「たしかに? 寝坊かサボりか」 「寝坊て、寝過ぎでしょ! あはは」  エリカは親の作った弁当、私は適当にコンビニで買ってきたサンドイッチと菓子パンを出す。いつもは4人でギュウギュウに並べるけど、今日は2人だけでゆったり机を使える。  どれから食べようかなって悩んでたら教室に誰かが走り込んできた。息を切らせながら私たちの机に手をついたのは、アトミだった。 「あれ、まじで寝坊?」 「コトヨが……ッあいつがきょ、今日で世界が終わるって……ハアハア……予知夢見たって!」 「え……世界終わるとか、リアルにあんのかよ……」  コトヨはよく予知夢を見る。普通信じられないかもしれないけど、何度となく言い当てられたことのある私たちは信じている。それにしても当日まで分からないもんなのか。 「あたしッ、やり残したことたくさんあるから、今日はこれで、またね!」 「ちょっと、アトミ! …………あーうちも、学校とかアホらしいからとりまサボろっかな。イツナ一緒に行く?」 「ううん、私はパン食べてから考えるわ」 「うける! まあでも、腹が減っては何とかだよね。じゃあね」  アトミもエリカも居なくなって暇になった右手でスマホの画面を開いた。コトヨから4人のグループ宛にメッセージがきてる。 『世界が終わらないように、今日は祈り続けてみる』  世界が終わるっていうのは、死ぬってことなんだろうか。痛くないといいな。クラスの皆は何も知らないからただ騒いで出て行ったアトミや私を見て、それから興味が無くなったみたいに日常に戻った。  やり残したこともあるし、まだ終わって欲しくない気持ちもあるけど、本当に終わってしまうのだとしたら私は――。 (いつも通りでいいや)
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