アンラッキーとは言わせない

ＣＡＳＥ．１ プロローグ

ラッキー探偵社様
件名　ご相談
サンタの格好の探偵様

　初めまして。もう誰にも言えず、どこにご相談したらよいのかわからず、こちらにご連絡をさせて頂きました。道端で、ティッシュ配りをされていた折、声をかけて頂き、ありがとうございました。その心温まる言葉を聞いて決心致しました。

　私は、現在、交際相手にＤＶ、性的暴力、脅迫をされております。ただ、これは犯罪であるのか私の思い過ごしなのか判断が付かずにおります。私の勘違いでしたらはっきりとそうおっしゃってください。心療内科に行ってこようかと思います。下記に詳細を記載させていただきます。どうかご判断ともしご助言を頂けたら幸いです。

　私は二人子どもがおります30代のシングルマザーです。全夫との仲が数年来悪く別居をしておりましたがどうしても養育費の件で1年ほど先に進まず、拗れていた養育費の金額等も落ち着いてやっと離婚をするに至りました。その時出会ったのが現在お付き合いさせていただいている彼です。恥ずかしながら、その彼より、「凛子さんを離婚後支えるから、離婚が成立する前で少し早いけど、もっと一緒にいたいから真剣にお付き合いをしてくれないか。一生君を守るから」と話をされました。私も子どもがいる手前、きちんとしないといけないと思い一度お断りしたのですが、私も好意を抱いていたので、きっちりと線を引けず、結局はＯＫをしてしまいました。

　その後しばらくは穏やかでした。

　それもそのはず、彼は普段は気さくでとても人のいい方で、周りの友人にも慕われております。私は同業者ではないのでよくはわかりませんが、やり取りを聞いている限りでは仕事もとてもできるようで先輩後輩からの信頼も厚いようです。ただ、かなり嫉妬心が強い人で、私は営業の仕事をしているので、職種上異性の方ともご商談をする機会が多いです。ただそれはあくまで仕事でアポイントを取りお会いするだけでその後恋愛関係に発展するとかそんなことにはなりません。しかし、必ず、仕事に行くときは連絡してくれ、何時に誰と会って何時までなのか詳しく話してくれと言われました。

　最初は嫉妬なんて十何年ぶりだろうか、可愛いなと思い、安心してもらうために個人情報をお話しない程度の情報をお話ししておりました。しかし、私も多忙を極めておりましたので、一度だけ、連絡することを忘れてしまいました。

　そこから地獄のような日々が始まったのです。