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大陸の北西に位置する国・孫(そん)国。
地形はほとんどが山岳地帯であり、自然も豊かで資源も多くあるため
いつしか北の交易地となっていた。
その恩恵を受け孫国建国の王・孫邦(そんほう)は兵を強化し資源をはたいて
北西の最も奥地の山岳地帯の入り口に孫国を築いた。
領土こそ少ないものの国力は他国のひけをとらず名家の仲間入りをはたしたの
である。
そんな孫国の奥地には5つの小国が存在する。
琳(りん)・黄(こう)・玄(げん)・櫂(かい)・馬(ば)
この小国はこの山岳地帯の覇を争い日々戦を続けていた。
それをまとめ上げた男こそ孫邦である。
それより、孫は北西の情勢をおちつかせ大国ではないものの6国の協力体制を
つくりあげたのだ。
それから、数十年、、、、
現、孫国王・孫巖(そんがん)はある日その5国の王を孫に集めていた。
「諸君そろったか。まあ、かけてくれ」
孫巖の指示で5国の王は着座する。
「孫巖殿。いかがなされた?急に我らを呼び出すとは。」
「定期的な話し合いはこの前したばかりですぞい。何かもうけ話ですかな」
一同はなごみながら笑いあう。
すると、その空気は孫巖が拳を机に叩きつけ一変する。
「笑っている場合か!貴殿らは何も大陸の情勢が伝わっておらぬのか!」
「大陸の情勢は孫の方の情報で把握はしておりますが何が問題なのですか?」
「はて、ワシも情報は入ってはいるが鄭が滅んだことぐらいで後は何もしりま
せぬ。」
「まったく、これだから貴殿らは我が孫に頼りっきりなのだ!
ならば、丁寧にお教えしよう。私が危惧している勢力がある。
その勢力はここ最近急成長しており破竹の勢いでこの北に侵攻している
現在は仁(じん)(大陸の西にある小国:名門である壬家が統治する国)
を説き伏せもう我が北西地域の喉元まで来ておる。」
「何!仁影(じんえい)殿が降伏された、、、、。
あの誉れ高き壬家が、そんな情報は、、、、、」
「定例報告では間に合わないほど奴らは速い速度で他国を鳩首しておるのだ。
最近になりこの地域付近まで来たことでその勢力が判明した。」
「どこの勢力ですか!」
「’轟亮(ごりょう)’勢力だ。」
「轟亮、、、、
といえば、あの義信の英雄・轟亮牙(ごりょうが)様のか、、、
なんと、確か。
禅翁・獅賀甲を同盟軍で討った盟主。
その軍で天下を統一した後はその新国に轟亮勢力のみ離脱して遠くの
地へ行ったとされていたはず、
現在は南蛮の地で現当主の次男が旗揚げを勢力を伸ばしていると聞いた。
その勢力が拡大してこの地まできたというのか」
「そういうことだ。しかも、この大陸でかつて各国に恐れられた大将軍達の
一人・神零(しんれい)も勢力に引き入れたことにより勢力は大幅に増強
された。」
「そんなやつらがこの地に来ようとされているのか、、、」
「それだけではない。噂ではこの国をここまで急成長させた男がいる」
「そのものの名は?」
「馬良伊(ばりょうい)という軍師だ。」
「馬良伊?その者の名を聞いたことはありませぬ。どこの出身ですか?」
「そこまでは私もわからない。だが、そいつの策でとんでもない速さで
成長らしい。
だから、我らも何か策をたてなければこの北西地帯一帯を奪われる可能性
がある。」
「それは、まずい、まずいぞ」
「すぐに兵へ連絡だ!!すぐに練兵に入れ!!」
「うろたえるな。何も考えなく貴殿らを呼んだわけではない。」
「!?」
「何か良い策が、、、」
「ああ、もちろん。
普通の策では彼らにはかなわぬ。だから、奇策で迎え撃つしかないだろう」
「その策とは」
「同盟だ!!!」
「同盟!?」
「我ら六国の国がこの一帯をかけ同盟軍を興し、轟亮勢力を迎えうつ。
そのかわり、奴らも急速で進軍してくる故、同盟締結・軍備の整理・兵糧
の管理をすぐに整える必要がある。
だから、この同盟の盟主を立てる必要がある。
実力からしてこの孫にその任をまかせてほしい」
「、、、それは。」
「すぐに決断を、、、」
「そうだ。しかも、各国の民に総動員して資源・兵糧をかき集めなければなら
ない。短期間ではあるが民は困窮するがすぐに戦を終決させればいいだけの
はなしだ」
「民を飢えさせろと?」
「勝利。の為だ。その犠牲なくして勝利はない。」
「、、、、」
「ついでに言っておくぞ。
これは口外は許さぬ。故に、この盟を断ったものはこの場で死んでいた
だく」
「そんな、、、、」
「、、、、」
五国の王はこうして同盟を締結してしまったのだ。
これがこの孫国で秘密裏に締結され領土全体を混乱にまねく、
「孫国六ケ国同盟」のはじまりであった
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