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中の洞窟のグラフィックも、なかなか見事な作りである。表の扉イラストがしょっぱかったので中もちゃちなのかと思いきや、洞窟や道のグラフィックは本物さながらのリアリティだ。矢印をクリックすると、進みたい方向に自動で進んでくれる仕組みらしい。
扉が二つ現れたので、それを右を選んでクリック。すると“この部屋には何もないようだ”という言葉が現れた。左へ行ったら罠があったのだろうか。もう一度挑戦できるなら、左ルートも試してみたいと思う。
右の部屋を通り抜け、また洞窟の通路。その奥に現れた噴水のところでストップがかかった。おどろおどろしい女神像が噴水の中心がら出現し、“生贄を捧げよ”と求めてくる。プレイヤーの左手、右手、右足、左足のいずれかを差し出さなければ先に進めないらしい。俺は迷わず左手、をクリックした。足がなくなれば、ここから先に進むのに支障が出るかもしれないと思ったことと自分が右利きであるという単純な理由からである。
左手を切断する恐ろしいグラフィックが出ると、女神像が二つに割れて小さなドアのようなものが出現した。クリックし、さらに先へと進む。なかなか本格的なゲームらしい。先ほどの選択シーンには音楽も緊迫感のあるものに変わったし、腕をノコギリで切り落とす音は生々しくて吐き気を覚えるほどだった。
――勿体無いなあ。これ、普通にフリーゲームとして売り出せばいいじゃんか。最初は無料でもさ、最近は無料ゲームに人気が出て、メディアミックスされるようになって利益を上げるようになるってこともあるし。こんな、迷惑メール使って無理矢理プレイさせるなんてことしたら、印象悪くなるだけなのに。
あまりの迫力に、どんどんのめり込んでいっている自分がいるのを感じる。イヤホンを持ってきておいてよかった、と思いつつ俺はどんどん先へと進んでいくことにした。
どうやらこの洞窟の最奥へ進むためには、多くの犠牲を払わなければいけないらしい。
罠の部屋は、回避することもできる。タイミングよくボタンを押すことで、天上から降ってくる槍を回避することに成功。水が部屋を満たす前に脱出することにも成功。
しかし、試練の部屋はそうもいかない。二番目の試練の部屋は、他にも数人のライバルらしき者の人影があった。そして、部屋の大きな丸テーブルの中心には、両手両足を大の字にした状態でくくりつけられている女の子がいる。髪を二つ結びにした可愛いらしい、まだ小学生くらいの女の子だ。
指示によると、この生贄の女の子の体のどこかに、次の部屋に進む鍵を仕込んであるのだという。しかし、体のどこにあるかはわからないので、ヒントを頼りに少女の体を切り刻んで調べていくしかない。ライバル達よりも先に少女の体内から鍵を取り出して持ち出すことができた者だけが、この部屋を脱出して外に行くことができるようだった。
――さ、流石にグロすぎて趣味わるいなこれ。
クオリティの高いゲームだけに、残酷さは目立つ。なんせ、少女の体にメスを入れるたび、少女の体が震えておぞましい絶叫が響き、スマホ全体がバイブで振動するのだ。腕を斬っていると、指示が出る。鍵は下半身のどこかである、と。ライバルの一人がそれを聞いて、嬉々として少女の下着を脱がし、性器にメスを当てて切り裂くといった行為をした。このライバルもNPCなのだとしたら、きっとこのゲームの製作者はリョナ趣味でもあるのだろうと思う。
――ていうか、痛みと恐怖で女の子が漏らすところまでしっかり描写するとか、変な方に懲りすぎだろー……?
股を切り裂かれ、さらに子宮を切り裂かれ。それでも鍵は見つからない。女の子の体は、あっちもこっちも開かれてぱっくりと肉が割れ、どんどん無残なものになっていく。早く死なせてあげればいいのに、と思いつつ、そんなコマンドも出ない以上俺はただ淡々と鍵を探し続けるしかない。ゲームだから仕方ないと割り切りつつ、鍵を見つけることができたのはそれから十数分経過した後だった。鍵は、女の子の直腸の中に入っていたようだ。ご丁寧に血と排泄物に塗れたグラフィックまで用意されている。
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