ワークブーツに愛されて

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 その後、相変わらず二人はたまに俺の夢に出てきている。  すっかり仲直りしてくれたのはいいけれど、今度は二人そろって文句を言ってくる。 「あんまりぬかるみに足を踏み入れないでください、ご主人様」 「そうだよ、気持ち悪いんだからさぁ」 「……君ら、ワークブーツって自覚ある?」 「はい?」 「はぁ?」 「……すんません。何でもないです」   こんな感じ。  正直言うと、ちょっとうんざりしている。  けどまあ、たまに賑やかなのも悪くないかもしれない。  そう思っていたある晩、夢を見た。  目の前に立っていたのは、白いニーハイソックスが眩しいむっちり系の女の子。 「ご主人様ぁ、初めましてぇ……」  舌ったらずな喋り方が可愛いこの子に見覚えなんてもちろん無い。  ただ、嫌な予感だけは止まらなかった。  何しろ彼女の頬は上気して真っ赤で、瞳もすっかり潤んでいたから……。
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