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それから何日か後の事。
二人が並んで俺の現れた。
という事は、ここは夢の中だ。
どうやら、いつの間にか眠ってしまったらしい。
片方はにこにこ。片方はジト目。
顔がそっくりなので、なんかだまし絵を見せられている気分。
おさげの位置から暫定的に右子と左子と呼ぼう。
「君達は誰なんだ?」
「私とこの子は靴の付喪神なのです」
ニコニコ顔の右子は言った。
「付喪神? 妖怪の?」
「はい。まだなりたてですが」
「なりたて……」
「この度私達はめでたく付喪神審議会の審議をパスしたのですわ」
審議……会?
「付喪神となるに相応しいかを判定してくれる組織だよ……」
左子は俺の事を物知らず、とでも言いたげだ。
一応言っとくと、絶対そんなメジャーな組織じゃないからな。
「ご主人様への貢献度、頂いた愛情などをもとに検討頂きまして、無事昇格させて頂いたのですわ」
そんなに靴に愛情をかけた覚えはないんだけれど……。
「他の靴に比べ、私達の使用頻度はずば抜けていました」
そもそも持っている靴がウォーキング用のスニーカーと、仕事用の安全靴、それにプライベート用のがっちりしたワークブーツだけだしなぁ。自動的に使用頻度も上がろうって物だ。
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