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「うるっさぁぁぁいッ!! さっきから何なのよアンタ!! 私は大事な大事な周回中なのよ!? 少しは黙って座ってなさいよ!!」
「———ッ!?」
耳元で鳴り響く大音声。鼓膜を破り千切るような爆音。
しかしそれは教室全体のざわめきに飲み込まれ、俺以外の者には届いていないようだ。
「しゅ、周回……?」
突然の豹変に頭が追いつかない俺に向かって、芽玖璃は叩きつけるような勢いで、手元でいじくり回していたソレを突きつける。
「あぁぁぁぁもう!! また銀素材落ちなかったじゃない!! アンタのせいだからね!?」
突きつけられたのはスマホの画面———そしてそこに映るのは大人気ソーシャルゲーム『Grand Destiny Journey 』通称『GDJ』のプレイ画面だった。
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