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涙の再会
屋敷で育ったオレは 森で妖怪に出会う
正体不明の凶暴で不気味な妖怪から逃れ
必死で走り続け飛び降り枯れ枝で傷つき
泥だらけになっていくオレは空腹だった
何日も何日も森や野原 川岸をさまよい
疲れ切ったオレの耳に 微かに響くのは
いとしい♂ブルーの切ない鳴き声だった
狂ったように オレは声のする方へ走る
おお ここだ! ♂ブルーの住む 城は
天にも届きそうな 高い城壁で囲われて
なんと城壁の端にそそり立つ尖塔の窓で
♂ブルーは声を限りにオレを呼んでいる
やっと再会したオレの変わり果てた姿に
♂ブルーは涙をポツーーーンと落とした
ヤツを見上げるオレの見開いた瞳の中に
♂ブルーの涙は 一筋に真っ直ぐ落ちた
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