あの世へ

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あの世へ

許そう。 お前をここで許せば、お前の罪は雪がれて、天国の門を叩く資格がうまれるんだろう? だってお前はお優しい慈善事業主様で通ってるんだからな。 あいつもきっと天国に居る、優しいあいつは天上の主の膝元にきっといる。 楽しみだな、お前が天国の門をくぐり主の元へ跪いたとき、お前が唯一直接手を下したあいつと目を合わせるんだ。 主の膝元に侍るあいつが、お前の顔を見ると白くたおやかな指を向ける。 お前の罪を告げる言葉を告げるために、今は失った肺を膨らませ息を吸う。 お前はそれをがたがたと震えながら手も出せずに見てるがいい。 愉快だ、俺もそばで見れないのが残念でならないほどきっと痛快だろう。 だから許そう。 だから俺はお前を許すのだ。
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