25人が本棚に入れています
本棚に追加
***
朝は毎日やってきます。来てほしくない明日が来てしまいました。
教室に入るとすでに木戸君が来ていました。
「おはよう。入江さんっていつもこんなに早いの?」
「うん。……木戸君はいつもぎりぎりに来るのに珍しいね」
「入江さんが早く来るかと思って待ってたんだ」
そう言って木戸君はプリントの束を取り出しました。
「考えてくれた?俺、入江さんが協力してくれたらすごく心強いんだ。同じような考えの人間がいるってそれだけで安心するから」
木戸君の目は期待に満ちています。私はこういう目に弱いのです。誰かから期待されると、それを裏切る自分がとても悪い人になった気がしてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!