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「なんで?見られたくないものじゃないの?入江さんだって俺と同じだろ?絵なんかで発散してないで直接ストレス発散すればいいじゃん」
「同じじゃない。全然違うよ。私は消化できなかった感情を成仏させるために描いてるの。木戸君みたいに実際に人を傷つけたりしないよ」
震える声で言ったら、木戸君は納得いかなそうな顔をしました。
「ただ傷つけてるわけじゃない。みんな罪を犯してたじゃないか。河原なんてあいつのせいで家がめちゃくちゃになった人もいるし、小学生が三人も火傷してるんだ。何食わぬ顔で高校生になってるなんておかしいと思わないか?」
「でも、それを裁く権利なんて木戸君にも私にもないじゃない」
木戸君は何か言いたそうに口を動かしましたが、何も言いませんでした。
木戸君は都合が悪くなると罪という言葉を出しますが、本当は最初に言っていたようにストレス発散や心を軽くするためという動機が全てだろうなと思います。正義感から行っているならあんな晒しものにするようなことはしないはずです。
河原君のことだって、クラス中に河原君のやったことを知らせて、それで何になるというのでしょうか。
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