消えない影は鏡を探してる

18/19
前へ
/19ページ
次へ
「木戸君、河原君のこともだし、これからはああいうことしないでね」 そう言ったら木戸君は舌打ちしてそっぽを向きました。うんと言ってくれないので、仕方なく交渉に出ます。 「次やったら木戸君が犯人だってばらすよ」 木戸君はぎろりと私を睨みました。怖かったのでつい後退りしてしまいます。 「あーあ。入江さんに言うんじゃなかった」 「本当だね」 私も困りましたし、できれば言わないで欲しかったです。 「入江さんならわかってくれると思ったのに。俺が馬鹿だった」 そう言って木戸君は私に背を向け、教室を出ていこうとします。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加