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「これは……なんや凄い力が溢れてくる感じがする……」
不思議と痛みは消えていた。身体も驚くべき程軽い。
「アンタ,名前は?」
「……ガウル」
「そうか,礼を言わなあかんな。ありがとう,アンタのおかげでウチは強くなった。お礼に全身全霊でアンタを殺す」
「ハハッ,イイなァ!マジで最高だぜお前ェ!」
「お前やない。ウチの名前はカルメールや!」
カルメールは『瞬間移動』でガウルの正面に移動するとガウルの胸部を全力で殴った。
移動してから攻撃までの間隔はないに等しい程速く,ガウルが攻撃されたと気が付いたのは喰らった後だった。
その攻撃は今までの比ではないほど強く,家がまるで紙切れのように感じられるほど簡単にガウルを貫通させていった。
たった一撃でも驚異的な威力。だがカルメールはそれだけでは終わらなかった。
すぐさま『瞬間移動』でガウルに追いつくともう一発,更に追いつきもう一発,何度も何度も打ち続けた。そして最後に背後に回り,ガウルの心臓を貫いた。
「ゴフッ――――――ッ」
ガウルは血を吹き出すと自分の身体を貫いている腕を掴んだ。だがその力は弱弱しく,カルメールはそのままガウルの身体から腕を引き抜いた。
「さてと,早く二人と合流しやんとな。イテテテテ,何や急に痛なってきたな」
全身の痛みをこらえつつもカルメールはユキたちの捜索を開始しようとしたその時―――
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