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ユキとユージは少しでも見つからないように建物の陰に隠れた。
「ユージ君,魔力は回復してる?」
「なんとか一回分は回復しています」
ユキは手元の爆弾に目をやった。
おそらくボタンを押すことで起動する爆弾。
ただ投げたところで当たらないのはわかっている。だからこそ絶対にユージの手助けがいる。
「じゃあ,あの時のようなバリアを出せる?」
「はい,出せます」
「それを自分以外の場所に出すことは?」
「出来ます」
かつてのユージなら断言することはなかった。だがユージもこの中で成長をした。
オドオドしていた頃の少年は消え去った。もう逃げたりはしないと決めたのだ。
「それじゃあ、ユージ君にやってほしいことがある」
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