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第1.5戦:吸血鬼の想い
何も感じぬ暗闇の中で吸血鬼:デュークは人質に取られている娘のことを想っていた。
『エレーナ,すまない。私は君を助けることが出来ないかもしれない。君は今何を想っている。私を憎んでいるのか?憎んでいるとすればそれは自分を助けてくれない父に対してかい?いや,君は正義感が強く優しい子だ,きっと他の子を殺そうとしている私に怒っているだろうね』
娘の意に反するだろうと分かっていても,殺すという手段を選んだデューク。それは何故なのか―――理由なんて決まっている―――
『だけどねエレーナ,親にとって子より大切なものなんてないんだよ。例え世界中から非難されようと己の身体が滅ぶことになろうとも,娘を守りたいと思ってしまうのだよ』
だがその望みは叶いそうにない。だから―――だから最後に
『許してくれとは言わない。だけど代わりに謝らせてくれ―――すまないエレーナ,愛しているよ』
届くことのない想いを語り,男は眠りに落ちていった。
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