シーと自発的な創造

『晩年』

太宰治のどこがいいのですか？
どこに惹(ひ)かれるのですか？

とむかしよく質問されました。
でも真面目に正直に答えたことはないかもしれません。
おそらくうまく言えなかったということもありますが、本当は言いたくなかったのです。
我がままですが…

今、言えることは、もっともすべての核心にせまろうとした小説家だということです。

またごく稀(まれ)に、太宰治を好きだという女性に出会った時、おれは多少なりともその女性を疑い、警戒しました。
太宰治は、生い立ちやプロレタリアへの憧れ聖書との関わりなどさまざまな面をもち、表面だけでは彼を理解することがとても難しいはずですから…
(男性の場合でも同じですが)

水至(みずいた)りて渠成(きょな)る

うそつき、ふだつき、おおつきだよ

「咲クヨウニ、咲クヨウニ」

今日の仙台も初夏の暑さ…
シーはなぜか壁際の畳の上で熟睡しています。