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堀辰雄は大学の4年生の頃に、まず「風立ちぬ」を読み、とくに最後の章「死のかげの谷」にふれて、心の奥底に響くものを感じました。
そして「美しい村」「菜穂子」と読み続けましたが、そのあたりのことは新作の「シーと白い光」でふれてみました。
堀辰雄の弟子でもあった中村真一郎によると、堀辰雄はその容姿通りのまことに自己抑制のきいた、穏やかな人柄の、品位と香気のある人だったそうですが、おれもそんな雰囲気を作品にも感じ、そんな高貴なところに惹かれたと思います。
堀辰雄のことは、もう一度「本によって本を書く」方法で、小説にしてみたいと思っていますし、このエッセイでもさらに取り上げたいと思っています。
最近、シーとの朝の散歩は、もう1時間ほども費やしています。
なぜならシーは、いろいろなものをクンクンしてなかなか前に進んでくれないからです。
シーもう行くよ
散歩中に何度も言っています。
それでも夜明けの空は、いろいろな不思議な表情があり、神秘的で幻想的な色彩に包まれています。
今夜もシーは、壁際の畳の上ですやすや寝ています。
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