『ノルウェーの森』

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 『ノルウェーの森』は、村上春樹の長編小説の中では、めずらしく現実社会の中にとどまった自伝的要素 ──彼自身は否定しているが── の詰まった作品だ。  また彼は『ノルウェーの森』は、基本的にカジュアルティーズ(犠牲者たち)についての話しだといっている。    ──僕のまわりで死んでいった、あるいは失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話しであり、あるいは僕自身の中で死んで失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話しだ、と。  今晩の愛犬シーズーのシーは、枕元でお尻をオレに向けて熟睡している。そしてオレはそっと「クリスマス・イヴ」を口ずさんでいる。 5af87e0b-88f0-4885-bac8-dfb97f34cd43
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