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この絵は、右から左へ絵巻のように物語が描かれています。
ですから鑑賞方法も、順番にロープに沿って絵の右側から左側に歩いて鑑賞するようになっていました。
多少立ち止まることはできても、長い時間同じ場所にとどまることはできません。
おれは、1度だけでは物足りず、また戻っては3回続けて歩き、その巨大な絵画を鑑賞しました。
絵の最も右側に描かれている黒い犬がゴーギャン自身らしく、絵の右側がタイトルの「我々はどこから来たのか」の部分。
中央が「我々は何者か」の部分。
そして左側が「我々はどこへ行くのか」の部分だとされています。
おれは、このゴーギャンが魂を込めた大作と対面するにあたって、ほとんど知識を持っていませんでした。
事前に調べて知識を得ることはできたはずですが、しかし漠然と、なんの予備知識もなく白紙のまま、この大作と対峙したいと思いました。
ですから正直、この大作と直面した時も、その絵の大きさに圧倒され、とても神秘的な印象は受けたものの、まったく何もわからず、ただこの絵を目に焼きつけたいという思いだけでした。
とくに中央部分の果物を取る少女の姿を、目に焼きつけました。
ゴーギャンが何者なのか?
答えはすぐにはわかりませんでした。
いや、わかるはずなどないのかもしれません。
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